健康寿命妨げる脳卒中
仲田 操・なかだ内科クリニック(2018年4月11日掲載)
今後10年の危険度算出
近年「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活である期間」である健康寿命が、単純な生物学的寿命である平均寿命より注目されています。健康寿命を超えて、日常生活を送る上で医療や介護が必要となる不健康期間は、かくしゃくとしていた人にとってはなんとももどかしい生活になるかもしれません。
厚生労働省が発表した最新の健康寿命は、男性72・14歳、女性74・79歳でした(平均寿命は男性80・98歳、女性87・14歳)。不健康期間は男性8・84歳、女性12・35歳で、3年前より短くなったものの欧米の7~8歳に比べ長いものでした。ちなみに、沖縄県の健康寿命は男性71・98歳で25位、女性75・46歳で10位でした(平均寿命は男性80・27歳で36位、女性87・44歳で7位)。
さて、健康寿命を妨げる原因にはどのようなものがあるかご存知でしょうか。2013年に内閣府が報告した65歳以上の要介護の主な原因は、脳血管疾患(脳卒中)17・2%、認知症16・4%、高齢による衰弱13・9%、骨折・転倒12・2%、関節疾患11・0%でした。“ある日突然人生が一変する”ことがある脳卒中が最多でしたが、特に男性では26・4%と驚くべきものでした。
16年に国立がん研究センターなどの研究グループが、茨城、新潟、高知、沖縄の4県のデータをもとに「40~60歳代の日本人がこれから10年間に脳卒中になる確率が予測できる算定表」を発表しました。年齢、肥満度(BMI)、性別、血圧、喫煙習慣、糖尿病の情報から発症確率(危険度)が簡単に算出できます。「国立がん研究センター脳卒中リスクチェック」のサイトでご自分の情報を入力すると、自身の危険度や血管年齢、危険度を軽減する方法が分かります。発症確率が5%を超えていれば注意した方がよいかもしれません。また、危険因子のなかでも最も気をつけなければならないのは高血圧で、喫煙の2・3倍、肥満の5・8倍、糖尿病の7倍のリスクがあることが分かっています。
要介護や寝たきりにならないように健康寿命を延ばすには、適切な食生活と習慣的な運動を心がけ、生活習慣病、認知症、筋力低下や関節疾患などの予防をすることが大切です。