認知症の非薬物療法
竹井太/うむやすみゃあす・ん診療所(2018年3月14日掲載)
身近な人の支援力が重要
増え続ける高齢者認知症問題の国家施策である「新オレンジプラン」を考える上で、高齢化率が減少傾向である他県と比べ、沖縄県は、東京、神奈川、滋賀と並び、今後もまだ高齢化が進み、認知症対策のさらなる充実が望まれています。その対策のうち、医師以外の方ができる非薬物療法の充実が今後の課題です。
認知症の人の治療では、医師がその中心的役割を担うものと思われがちですが、実はそうではありません。認知症の人と接する時間を考えたとき、実際、医師はどれほどの時間をかけ対峙(たいじ)することができるでしょう。皆さんは経験からそんなに長い時間ではないことをご承知だと思います。
本来の自分を表現することが時とともに困難になり、生活障害に直面し、混乱の世界に入り込み、周囲の人たちから誤解されやすい認知症の人を正しく理解するためには、その人の生きてきた歴史を知り、その人の人となりを知ることが必要です。より良好な治療のためには、その人の生きざまを知る人からの情報と、その人を支える環境の整備が重要です。周りの人の支援力により、認知症の人の生活は大きく左右されることになります。したがって、1日の大半を一緒に過ごす人たちが行う非薬物療法が、その人の生活の良否を左右するといっても過言ではないでしょう。
そのような観点から認知症の人の支援を充実させる目的で、ユマニチュード(フランス)、パーソンセンタードケア(イギリス)、バリデーション(アメリカ)などに代表される体系化されたテクニックを用いた非薬物療法が注目を浴びています。字数の関係上、これらの詳細はお伝えできませんが、今後ますます増加し、社会全体で取り組まなければならない認知症の人への支援に対して、私たち一人一人が重要な担い手であることを自覚し、誰もが安心してその日を迎えることができる社会の実現に向け協力しあう時期が来ています。