乳がん
玉城稚奈・県立中部病院(2018年3月7日掲載)
怖くない放射線治療
「もしかしたら自分も乳がんになるかもしれない」と考えたことはありますか? 考えたことがないという方は、血縁者にがん患者さんがいないから大丈夫とか、運動をしているから健康だとか、理由はさまざまかもしれません。しかし本当にそれでいいでしょうか。
日本人の死亡原因の第1位は男女ともに「悪性新生物(がん)」です。2013年のデータでは、40代女性の乳がん、子宮・卵巣がんの死亡が多くを占め、日本人女性の11人に1人は乳がんになるという多さです。さらに、47都道府県別の乳がん罹患(りかん)率(発症率)を見てみると、1位が広島、2位に沖縄、3位に東京と続きます。乳がんは他人ごとではないと少しは感じていただけるでしょうか?
ただし、乳がんになってしまった場合でも、早期に発見し、きちんと治療を行えば完治の可能性が高いです。日本には乳癌(がん)診療ガイドラインに沿った「標準治療」があります。ここでいう標準というのは、決して「並の治療」という意味ではありません。科学的根拠に基づいた観点で、「現在利用できる最良の治療」であることが示され、ある状態の一般的な患者さんに行われることが推奨される治療をいいます(国立がん研究センター用語集参照)。
このガイドラインの中では、乳房温存手術後は放射線治療を行うことが強く勧められています。手術後の放射線治療により、温存乳房内の再発率を減少させ、乳がんによる死亡率も改善することができるからです。
放射線治療はまだまだなじみが薄く「怖い」といったイメージも先行して、主治医に放射線治療を勧められても不安があるかもしれません。近年の放射線治療は技術精度も向上しており、副作用はゼロではありませんが、少ない後遺症で治療が可能です。
市民公開講座などの情報で、決して怖いものでなく有益な治療であると知っていただきたいです。また、放射線治療の専門学会(日本放射線腫瘍学会)のホームページで動画を公開していますので、ぜひ参考にしてください。