腰椎椎間板ヘルニア

平良豊・牧港クリニック(2018年2月21日掲載)

体への負担少ない手術法も


 腰椎椎間板ヘルニアは腰から臀部(でんぶ)、大腿(だいたい)後面、ふくらはぎにかけて激しい痛みを起こす、20~30代に多い疾患です。


 治療は鎮痛薬の内服、リハビリ、神経ブロックなどで保存的に治療することが基本ですが、下肢筋力の低下や排尿障害がある場合、あるいは2~3カ月たっても治らない場合は手術の適応になります。


 これまでの手術では硬膜外腔(脊髄神経の通り道)を経由して手術するため、術後の治癒過程に起きる癒着により手術前とは違う痛みが起こることがあります。この痛みはいったん起こると鎮痛薬や神経ブロックがなかなか効かず、治療に難渋することがあります。このような術後障害を避けるためにできるだけ傷を小さくする手術法が模索されています。


 2006年に米国で、髄核(ずいかく)摘出鉗子(かんし)による髄核摘出とラジオ波による髄核蒸散を併用する器具(Disc-Fx(R))が開発され、09年に日本に導入されました。この方法は、腰の斜め後ろから椎間板に直径2ミリの針を刺して、その針の中から鉗子を挿入して髄核を摘出し、さらにラジオ波を使って残りの髄核を蒸散させる方法です。


 手術操作は硬膜外腔を経由しないので、術後も硬膜外腔が正常のまま温存されます。全身麻酔は不要で、局所麻酔だけで行います。また手術時間は30分程度で、直後から歩行も可能です。有効率は85%といわれています。


 この手術は体に負担が少ない最小侵襲手術として注目されてこの2、3年で急速に普及し始め、全国では70施設で計数百例が行われています。健康保険も適応されます。この方法は全ての椎間板ヘルニアに適応があるわけではなく、コンテインドタイプ(後縦靭帯(じんたい)が破れていないタイプ)といわれる特殊なタイプのヘルニアが適応となります。


 ヘルニアタイプの判定はMRIのみでは困難なことが多く、椎間板内に造影剤を注入する椎間板造影CTで確実な診断ができます。手術をお考えのときはこの方法について主治医に相談してはいかがでしょうか?

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