血糖測定器
湧上民雄・あがりはまクリニック(2018年2月7日掲載)
糖尿病治療 新たな可能性
近年、日本でも糖尿病患者の血糖を持続的に測定する測定器が普及してきました。血糖値そのものを直接測定しているのではないので血糖値が変化する時には誤差が生じますが、おおむね正確な血糖値を反映します。
糖尿病患者の血糖を持続的に測定することにより、これまでわからなかった糖尿病患者の血糖プロフィルが明らかとなりました。患者さんが自覚できない夜間の低血糖が少なくないことや食後にかなりの高血糖になる時間帯があることなどがわかり、食前、食後の自己血糖測定だけでは知ることができなかった多くの知見が得られました。
これまでは、この測定器は高額なこともあり、研究用としての使用が主で個人が毎日使うものではありませんでした。欧米で盛んに使われているのは、患者個人が自分自身の血糖管理のために利用する個人用の測定器です。7年前にアメリカ人の1型糖尿病の患者からこの機器を見せていただいた時には大変な衝撃を受けました。
血糖値が5分ごとにモニターに表示され、患者さんが「これで夜間の低血糖におびえずに眠れる」と言ったのが印象的でした。一生インスリン注射が必要な1型糖尿病患者にはこの測定器が必ず役立つものと思われました。
昨年9月より低価格で個人用持続血糖測定器が使えるようになりました。インスリン治療中の患者に実際に使用してもらったところ、低血糖の心配が少なくなり、何を食べれば血糖が上昇するのかよくわかったとのことでした。現在この測定器は精度に多少の問題があり、厚生労働省もこれまでの自己血糖測定器を補完するものであるという位置づけとなっております。しかし今後もっと誤差の少ない便利な測定器が誕生すると思われます。
われわれ医療従事者も患者もこの新しいシステムについて多くの経験を積み、正しい評価をしていかなければなりません。多くのインスリン治療患者の生活を変える可能性のあるこの新しい血糖測定器に大変期待しています。