ごえん性肺炎

町田宗正・町田医院(2018年1月17日掲載)

のどの筋肉 鍛えよう


 「ごえん性肺炎」はのどの老化が原因です。


 65歳以上の死亡原因の第1位は肺炎です。肺炎はインフルエンザやカゼが重症化して起こると考えられていますが、本当は食べ物が誤って肺に入って起こる肺炎、ごえん性肺炎が多いのです。


 ごえん性肺炎は脳卒中による反射神経の障害、あるいは加齢や病気で飲み込む筋力が低下して起こります。食べ物や唾液が誤って肺に入って、そこに口の中の細菌が増殖するのです。


 個人差はあるものの60歳以上になると、ホルモンの影響で筋肉が脂肪へと変化し、全身の筋肉が衰えてきます。これをサルコペニア(筋肉減少症)といいます。のどを動かす筋肉も衰えて、日常生活には支障がないものの、食事中にむせてしまったり、薬が飲みづらくなります。小さな肺炎を繰り返したり、咳(せき)を訴えて受診すると、喘息(ぜんそく)と診断されることもあります。


 ごえん性肺炎を予防するためには、のどを動かす筋肉を鍛えることが必要です。のどの筋肉にはえんげ、呼吸、発声などの働きがあり、それらを鍛えることで筋肉が回復します。


 唾液をごっくんと飲み込む練習、呼吸機能を上げる運動、カラオケで大きな声で歌う発声などで、のどを動かす筋肉を鍛えることができます。特別な訓練をしなくても、ウオーキングや水泳などの全身運動でも飲み込む力が回復します。


 食事ができないなど、飲み込む力がかなり落ちた場合には、のどの筋肉を鍛え、飲み込む力をつけるリハビリが必要となります。それができる、耳鼻科、脳外科、呼吸器科などの専門機関への受診が必要です。


 元気で長生きするためには飲み込む力を衰えさせないことが大切です。60歳以上の方には、飲み込む力の維持、向上のために、一番簡単な運動のウオーキングをお勧めします。こまめに歩くことで、肺炎の予防だけでなく、100歳になってもおいしいものをおいしく食べていけるでしょう。

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