地域包括ケアシステムとは

国吉純郎・老人保健施設禄寿園(2017年11月29日掲載)

高齢者を地域連携で支援


 厚労省が推進する「地域包括ケアシステム」。これは、日本が諸外国に例を見ないスピードで高齢化が進行し、現在の65歳以上の人口が3000万人を超えて国民の約4人に1人となり、約800万人いる団塊の世代が75歳以上となる2025年以降は、国民の医療や介護の需要がさらに増加することが見込まれています。


 国は、高齢者の尊厳保持と自立生活支援の目的の下、可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制の構築を推進することを掲げています。


 イメージとして、地域にお住まいの高齢者が、地域の力(老人クラブ、自治会など)による介護予防・生活支援、介護施設(デイケア・短期入所・訪問サービスなど)、医療(訪問診療・入院や通院など)などの包括的なサービスを受けることができるということです。


 当園での対応例を挙げると、病院での治療が終了したものの在宅での受け入れが困難となり、当施設で療養となった高齢者が徐々にレベルが低下して看取り対応となりました。生前から本人と家族が在宅療養を希望していたことから、ケアマネージャーや訪問介護、訪問看護、訪問診療など多職種連携によって安心して在宅療養に移りました。そして、本人の希望であった子や孫などの家族や親戚に見守られながら天寿をまっとうできました。


 これは連携がうまく取れた例ですが、もちろんさまざまな問題点があります。


 行政から地域への啓発や病院、介護施設から訪問診療医への情報提供や訪問診療医、訪問看護、介護との連携がスムーズに行えるかなどです。幸い沖縄にはユイマール(助け合い)の互助精神が根付いており、システム構築をするには各方面の協力が得られやすいと思います。


 住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体となり、安心して老後を迎えられる地域づくりを目指しましょう。

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