ヒトメタニューモウイルス

朝倉秋乃・南部徳洲会病院(2017年11月1日掲載)

乳幼児や高齢者、重症化も


 最近ニュースで話題のRSウイルス(以下RSV)ですが、ヒトメタニューモウイルス(hMPV)はご存知でしょうか。hMPVはRSVと似ており、感染症状は38-39度台の高熱(平均5日間)、咳(せき)、鼻水、ゼーゼー、嘔吐(おうと)、下痢などです。大部分が風邪と診断されますが、呼吸困難や肺炎など重症化すると入院になります。


 hMPVは2001年に発見され、呼吸器感染症の小児で10%、成人で2~4%が原因と言われています。流行期は全国的には3~6月ですが、沖縄では通年性です。


 hMPVは1~2歳に多く、5歳までに一度はかかる感染症で、繰り返しかかり年齢とともに症状が軽くなります。初感染時や抵抗力のない高齢者が罹患(りかん)すると重症化する可能性があります。


 2014年より日常診療で検査が行われるようになり、「画像診断により肺炎が強く疑われる6歳未満の患児」に対して保険適応となっています。このため肺炎を疑うような場合に検査をします。検査は綿棒で鼻咽頭拭い液や鼻腔(びくう)吸引液で迅速に診断できます。


 治療は対処療法で、解熱剤や風邪薬、気管支拡張薬などを使いながら自分の免疫で自然によくなるのを待ちます。自宅での鼻汁吸引や、喘鳴(ぜんめい)がある時は外来での吸入・吸引が有効です。咳き込み、嘔吐時は、授乳前の鼻汁吸引や、1回の授乳量を減らして回数を増やすとよいでしょう。


 寝る時は横になるより縦抱きや上体を起こすと呼吸が楽になります。発熱が続く場合、咳嗽(がいそう)や喘鳴で眠れない、水分摂取量が少なく排尿も少ない時は受診が必要です。


 潜伏期間は5日前後で、ウイルス量は発熱後1~4日が多く、ウイルス排せつは1~2週間と長いです。感染経路は主に飛沫(ひまつ)感染で、鼻水や痰(たん)への接触を介しても感染し、感染力は非常に強く保育園や高齢者施設で集団発生します。


 ワクチンはないため、できるだけ感染を拡大しないように、咳エチケット、手洗い・アルコール消毒など手指衛生や環境を清潔に保つことが大切です。保育園へは解熱して症状が落ち着けば登園可能です。

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