胃アニサキス症

仲地紀茂・仲地胃腸内科クリニック(2017年9月27日掲載)

もう生魚は食べられない?


 最近、アニサキス症がテレビで話題になっていますが、皆さんご存知でしょうか?


 アニサキス症とは、魚介類の生食を原因とする寄生虫症の中でも、最も多いのがアニサキス症です。近年、生鮮食料品の輸送が発達した事により、アニサキス症の増加と広範囲にわたる拡大が認められています。アニサキス症の発生は、諸外国に比較して魚介類を生食する食文化を有するわが国で、圧倒的に多く発生しています。人への感染源となる魚介類は、約160種類を超えるとも言われており、多くはサバ、アジ、イワシ、イカ、最近ではサンマなどが感染源となる機会の多い魚介類として知られています。


 アニサキス症でも大半を占めるのが、胃アニサキス症です。そのほかにも腸アニサキス症、消化管外アニサキス症、アニサキスアレルギーなどがありますが、今回は、胃アニサキス症についてお話します。魚介類に寄生した虫体を一緒に食べることで、生食後数時間で激しい上腹部痛と悪心、嘔吐(おうと)を発症するのが胃アニサキス症の特徴です。


 この症状は体長2~3センチの虫体が胃粘膜に刺入することで起こります。食歴と症状の経過などから、胃アニサキス症が疑われる場合は、胃内視鏡検査を行い、粘膜に刺入している虫体を見つけ、除去することで症状は速やかに改善します。


 予防するには魚介類の生食を避けること、あるいは60度で1分以上の加熱処理をすることが確実な方法です。しかし生食したいですよね。その場合は一度冷凍(マイナス20度で24時間以上)した後解凍し、食べることが有効な感染予防となります。


 加熱や冷凍以外に新鮮なうちに内蔵を処理することで、虫体が内臓から身へ移動するのを防ぐことで感染の危険性を減らすことができます。お酢、しょうゆ、わさび等が感染予防に効果があると耳にしたことがあると思いますが、通常、料理に使用する量や処理時間では虫体は死滅しません。生食は日本の食文化の一つです、正しい知識を持って豊かな食生活を送りましょう。

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