加齢黄斑変性
安里良・安里眼科(2017年8月2日掲載)
ものが歪んで見える
「片方の目で見た時に歪(ゆが)んだり、中心が黒く見える」などの症状で悩んだりしている方はおられませんか? もしかしたら「加齢黄斑(おうはん)変性」という病気かもしれません。
加齢により網膜の中心部である黄斑に変性を生じ、見ようとする部分が徐々に見えにくくなる病気です。見たい部分が見えなくなるので本を読んだり文字を書いたりすることが難しくなります。放置すると視力低下が進み、失明する場合もあります。 日本ではこれまで比較的少ないと考えられていましたが、人口の高齢化と生活の欧米化により近年著しく増加しており、失明原因の第4位となっています。50歳以上の約1%が発病していて、年齢が上がるほど患者数が増える傾向があり、75歳を超えると急増します。
最近、いくつかの治療法が新たに開発されて、多くの患者さんで視力の維持や改善が得られるようになりました。その中でも現在は薬物治療が主流で、目の中に直接薬を注射する方法です。治療は4~6週間ごとに数回繰り返します。
また、2014年9月、世界で初めてiPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いた臨床研究として、網膜色素上皮シートの移植手術が実施されました。iPS細胞を応用した再生医療の研究は、さまざまな方法で進められており、根治につながる治療法の確立が期待されています。
加齢黄斑変性の原因として、喫煙習慣・食生活(欧米化)・加齢・日光暴露などが言われております。まず、喫煙習慣のある人は禁煙することが予防の一歩となります。
食生活にも注意が必要です。抗酸化ビタミンとあわせて、亜鉛を積極的に取ると予防につながることが分かっています。ビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化ビタミンが不足しないよう、緑黄色野菜中心とした野菜類や果物、豆類やナッツ類などを取るよう心掛けましょう。
また、亜鉛はカキや魚介類に多く含まれています。これらの栄養素が含まれているサプリメントを利用するのもよいでしょう。
50歳を過ぎたら年1回は目の定期検診を受けることをお勧めします。