大腸がん検診のすすめ
岸本一人・与那原中央病院(2017年7月5日掲載)
受診1割、悪化の要因に
がんにはかからずに過ごしたいと誰もが思うところでしょうが、日本人のおよそ2人に1人は生涯のうちがんになり、3人に1人はがんで亡くなっています。がんはひとごとではなく割と身近な存在です。
がんの治療法は日々進歩しており、がんによる死亡率も全国的に低下してきていますが、沖縄県では、がんによる死亡率の下がり幅が全国の中で最も悪く、特に大腸がんの死亡率は逆に増えているのです。
この理由として考えられているのが、大腸がんになりやすい食生活と、検診受診率の低さです。大腸がんの原因として、ファストフードに代表される加工肉や、運動不足などの生活習慣、体質が考えられているのですが、まだはっきりと分かっていないことも多く、大腸がんになることを確実に予防できる方法は今のところ見つかっていません。
次善の策として重要なことが、がん検診による早期発見です。仮に大腸がんになったとしても、自覚症状のない早い段階(ステージ)の時期に発見できれば、内視鏡による治療のみで治る可能性が非常に高く、手術や抗がん剤といった身体的にも経済的にも負担の大きな治療を回避できるのです。
具体的な方法ですが、県民全員に対して内視鏡検査を行うのでは効率が悪いので、一定の年齢(40歳)に達した方では、普段元気に過ごされていても、年に一度は便検査を受けていただき、異常ありと判定された場合は、ぜひ一度は内視鏡検査を受けていただくことをお勧めします。
大腸がんは他の部位にできるがんと比べ、比較的治りやすいがんの一つで、検診の恩恵を受けやすいがんの一つですが、沖縄県の大腸がん検診(便検査)受診率は1割で、そのうち精密検査(内視鏡検査)が必要とされた人の受診率も6割未満とまだまだ低いのが現状です。
県民一人一人が「なんくるないさ」ではなく、「自分の体は自分で守る」ということを自覚して、積極的にがん検診を受けていただくことが、健康長寿県沖縄の復活につながると考えます。