母子同室

島袋史・ゆいクリニック(2017年5月23日掲載)

赤ちゃんとの絆深まる


 ユニセフ・WHO(世界保健機関)提唱の母乳育児成功のための10カ条では、第7条において「母子同室にする。お母さんと赤ちゃんが24時間一緒にいられるようにする」としています。この母乳育児成功のための10カ条は、出産施設が母乳育児をサポートするための大切なポイントです。


 母子同室は、母乳育児を順調にするためにはとても大切ですが、産後すぐから赤ちゃんと一緒の部屋で過ごすことについてはさまざまな意見があります。


 赤ちゃんのペースに合わせて母乳をあげられる、いつでも赤ちゃんと触れ合える、育児の練習がプロのサポートを受けながらしっかりできる、などのメリットがある反面、夜中に何度も泣き声で起きることになり、産後の疲れた母体が休まらないという意見もあったりします。また、感染症にかかりやすい新生児が面会者から病気を移されてしまうリスクもあります。


 「母子別室の方がよく休めるから、母体の回復に良い」とか、「初産婦さんは母子同室だと大変よ」と聞いたことはありませんか?


 ある研究の結果では、母子が一緒にいる時は赤ちゃんが泣くことが減り、お母さんは母子別室の場合と同じくらい寝ていることが分かりました。出産施設に入院中は、産まれた赤ちゃんの性質を見て、赤ちゃんのお世話を学ぶ絶好のチャンスです。赤ちゃんの側からもおなかの中でずっと慣れ親しんだお母さんがそばにいることは、大きな安心となり、ゆっくりと睡眠が取れるのです。


 お母さんはずっと赤ちゃんと一緒にいることで、赤ちゃんとの生活のイメージができているので退院後の不安が軽減して、退院後の育児に自信が持てるようになったという話も聞きます。夜中の頻回授乳は大変な時もありますが、家に帰ってからプロのサポートなしに初めて赤ちゃんと一緒に夜を過ごすよりも、安心できるでしょう。


 母子同室をすることで、お母さんは赤ちゃんとの絆を深めることができます。自宅へ帰る前の予行演習として、母乳育児のサポートを受けつつ、育児を実践しながら学ぶことができるのです。

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