逆流性食道炎
城間丈二・城間医院(2017年3月28日掲載)
食後すぐ横にならない
皆さんの中に胸焼けで苦しんでいる方はいますか。また喉が詰まった感じや苦汁が上がってくる、ゲップが多い、などの症状はどうでしょうか。それらは逆流性食道炎が原因かもしれません。
食べ物が通過する時以外、食道と胃のつなぎ目は閉じていますが、このつなぎ目が何らかの理由により緩んでしまい、胃で分泌された胃酸が食道に逆流するのです。食道は胃と違って胃酸に弱く、粘膜に炎症が起きると冒頭の症状が出現するのです。
下部食道括約(かつやく)筋という筋肉が食道と胃のつなぎ目を閉めたり緩めたりするのですが、年を取るとその筋肉の収縮力が弱くなります。さらに胸とおなかの間の横隔膜には食道が通る隙間があるのですが、これも加齢で緩くなり胃酸が逆流しやすくなります。また胃の内圧が上昇しやすい肥満や妊娠でも胃酸が逆流しやすくなり、油っこい食べ物やお酒、コーヒーなどは胃酸分泌を増やします。
この疾患はもともと日本人には少なかったのですが、食生活の欧米化や肥満の増加、また胃酸分泌を減らすピロリ菌感染率の減少などに加え、高齢化社会になってきたこともあり増えてきました。内視鏡検査での有病率は1980年代には2%台だったのが、2005年には15%近くまで増加しています(日本消化器病学会)。
内視鏡検査で食道粘膜の炎症を確認できれば逆流性食道炎と診断できます。しかし炎症のないこともあり、その際は問診から胃酸逆流を疑って同じ治療を行うことになります。まず肥満の解消や高脂肪食を控えることはもちろん、食事量は腹八分で抑える、食後すぐに横にならない、飲酒量を控える、服で体を締め付けない、など普段の生活で気を付けてもらいます。
また胃酸は就寝時に逆流しやすいため、眠る時は大きめの枕を使って肩から頭の位置を高くする工夫も有効です。同時に胃酸分泌を抑えるお薬を内服することで症状が消失、あるいはかなり軽減されます。普段から胸焼けなどに悩まされている方は、ぜひお近くの医療機関で相談されてみたほうがいいでしょう。