肩の痛み
安里英樹・はえばる北クリニック(2017年3月21日掲載)
予防にはストレッチ
肩は人の関節の中で動きの大きな関節ですが、腕の骨と肩甲骨がけん玉の球と皿の関係に似て不安定な構造になっています。これに対し、靱帯(じんたい)や筋肉・腱(けん)が関節の周りを取り囲み、バランスをとって滑らかに肩を動かせるようにしています。
肩は、比較的小さな内側の筋肉(インナーマッスル)と大きな外側の筋肉(アウターマッスル)の二重構造で動いています。
荷物を持ち上げる、草木を引き抜く、ハサミなどで枝を切る等の日常動作や、肩周辺の筋トレを行うなどの動作では、筋肉を収縮させようとする力と同時にその筋肉を伸展させようとする関節の動きが働き、肩の筋肉・腱(特にインナーマッスル)に想像以上の負担がかかっています。それらの繰り返し動作によって肩関節周辺の筋肉・腱に炎症が生じてきます。この炎症がひどくなると痛みが生じます。
特に、中・高年者では、肩の筋肉の柔軟性が低下していることが多く、急に強い負荷がかかってしまうと腱の断裂を生じてしまうことがあります。しかも、一度腱断裂が生じてしまうと、肩の痛みが持続することがあります。腱断裂を防ぐためは、肩関節周囲の組織の柔軟性を高め、腱に対する急激なストレスがかからないようにすることが大切です。
そのためには、作業や運動の前に筋肉や関節の動きを良くするためのストレッチ(ラジオ体操などの関節を動かしながら行う動的ストレッチ)を十分に行うこと、運動や作業は弱い負荷から開始し徐々に負荷を上げていくことを心掛けることが大事です。
スポーツ時の肩の痛みも同様に、繰り返される動作による筋や靱帯のストレスで、関節周囲の硬さに違いが起こってきます。特に肩関節の後下方部位は硬くなりやすく、動作時のバランスが悪くなり、次第に痛みを生じます。
肩関節のリハビリ治療で重要な点は、ストレッチによる肩関節の良好な動きをまず確保することです。その次に、バランスよく筋トレをすることでスポーツや労作時の関節の動きが安定し、肩の痛みが出にくくなります。