大腸がん
糸数公・県保健医療部(2017年2月14日掲載)
検便で早期発見を
平均寿命の全国順位が下がっている沖縄県。平均寿命は伸び続けているものの、その伸びは鈍くなっています。マラソンに例えると、かつて昭和の時代には、男女とも他県を引き離してトップを走っていた沖縄県が、徐々にそのスピードが鈍くなって、男性は2000年に26位へ落ちて現在は30位、女性は10年に、ついに後ろから追いかけて来た長野県と島根県に追い抜かれ3位に転落。このペースで行くと男性は最下位グループに、女性も平均的な順位のグループになると指摘されています。
その原因は、20~64歳の働き盛り世代の健康状態が他県より悪いということにあり、その中で大きく影響しているのが大腸がんです。
現在、沖縄県の死因の第1位はがんであり、部位別に見ると、大腸は男性で2位、女性では1位となっています。また、大腸がんによる75歳以下の死亡率を見ると、全国では減少しつつあるのに対して、沖縄県は横ばい~増加傾向となっています。
大腸がんと診断されてから5年後の生存率も、全国よりも約10ポイント低くなっており、大腸がんが発見されたときには、すでに病気が進行している例が多いこと等が影響しています。年齢的には40歳を超えた頃から大腸がんにかかる人が増え始め、50代、60代で急激に増加するので、働き盛りの「早世」に大きく関わっています。
大腸がんの予防については、赤身肉・保存肉やアルコールの摂取量を少なくすること、禁煙、また野菜を多く取り、定期的に運動をするよう提唱されていますが、その一方で「年齢が現時点で最大の予測因子」という意見もあるため、この世代が、大腸がん検診を受けることが重要です。
大腸がん検診については、検便による潜血検査(免疫法)が、死亡率減少の効果があり、かつ不利益を被る可能性も少ないため、市町村や職場で行うがん検診に限らず、人間ドック等においても採用されています。また、精密検査が必要な場合は、内視鏡検査が行われています。働き盛りの健康を脅かす大腸がんですが、検便によって早期発見、早期治療が可能であることをぜひ知っていただきたいと思います。