高齢者の糖尿病と認知症

花城清治・花城内科医院(2017年2月7日掲載)

早めに専門医受診を


 超高齢社会の中で、糖尿病は近年増加しており、特に糖尿病の約50%は70歳以上であることが分かっています。糖尿病は、脳血管障害の危険因子であり、アルツハイマー型認知症の合併も約2倍高いといわれています。


 認知症の60%以上はアルツハイマー型認知症で、その特徴として6カ月以上徐々に進行し、急に症状が発症するわけではありません。早期に認められる症状として短期記憶障害があり、同じことを何度も尋ねたり、物を置き忘れたり、物や人の名前が出てこなかったりします。また、性格の変化を認めることもあります。内服の自己管理ができなかったり、家事や仕事の段取りが悪くなったりといろいろな症状が認められます。


 高齢者糖尿病の臨床的特徴は、(1)日常生活動作(ADL)の低下や身体活動量の低下など(2)高血糖症状としての口渇、多飲を認めない(3)低血糖の自覚症状が乏しく低血糖の発見が遅れ、転倒・骨折・認知症やうつのリスクが高まる-ことなどが挙げられます。


 低血糖では、めまい感やふらつき、脱力感、頭痛といった症状を認めますが、典型的ではない低血糖症状で起きたり、普段とは違う症状を認める時には注意が必要です。


 そこで認知症を予防するには糖尿病に対する理解を十分に行い、早期的な対策が必要となってきます。その他にも予防としては、高血圧や脂質異常症の改善や、体重が減らないように十分なエネルギーの確保、果実と野菜の多い食生活、禁煙、特に1日50分程度の運動が重要と考えられています。


 このような高齢者糖尿病の方を支える家族にしてみれば、臨床的な特徴をよく理解し、少しでも認知機能の悪化を抑制できるような対策が必要になります。認知症は高齢者糖尿病の合併症であり、認知症の進行を少しでも遅らせるためにも早期発見が大事であり、認知症の症状の中で日常生活動作の低下があれば、早めに専門医を受診していただければと思います。

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