100歳まで元気に

阿部好弘・伊江村立診療所(2017年1月17日掲載)

呼吸を意識して


 人は年齢とともに徐々に体力が弱まるのは自然の経過ですが、男女とも平均寿命が80歳を超えている現在、健康寿命との間には10年の格差があります。寝たきりで介護を要する期間が10年もあるのです。いかにしてその期間を縮めていくかが大きな課題です。


 介護となった原因の3大要素として、脳卒中、認知症、転倒・骨折があります。


 介護にならない予防のために、生まれた概念として「フレイル」という言葉があります。日本老年医学会が要介護になる前の状態の筋力や活動力が低下した状態を「フレイル(虚弱)」と呼び啓発しています。


 (1)1年間で4~5キロの体重減少、(2)疲れやすくなった(3)筋力(握力)の低下(4)歩行スピードの低下(5)身体の活動性の低下。以上のうち、3項目が当てはまれば、「フレイル」の状態と考えられます。


 フレイルの予防のためには、禁煙、節酒、規則正しい食生活はもちろんですが、「習慣的に体を動かす」ことが大切です。激しい運動ではなく、呼吸を伴った有酸素運動が有効です。100歳になっても続けられる運動をぜひ続けてもらいたいと思います。


 私は、剛柔流空手道を週に2回指導し、他に太極拳、居合い、沖縄古武道の稽古をしています。そこで元気な80歳を超えた方々にお会いします。


 彼らには大きな共通点があります。それは、「知的好奇心が旺盛である」ということです。ことさらスポーツをしない方でも、農作業など日頃の労働に専念し、「人生を楽しむ」ことを忘れていません。


 現在、透析の前に、患者さんと一緒に呼吸法を取り入れた体操をしています。首・肩・腰・指の運動の後、「3呼1吸」という腹式呼吸法(「ハッハッハッー」と3回口から吐き、鼻から1回吸う)を10回繰り返します。体がくつろぎ笑顔もでて汗もうっすら浮かびます。


 「1日に100回のゆっくりした深い呼吸」が長生きの秘訣(ひけつ)と言われます。皆さんも呼吸を意識した生活をぜひ送ってください。

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