発達障がいと虹
泉川良範・名護療育医療センター(2016年12月20日掲載)
人生、性格はいろいろ
発達障がいという言葉をよく聞くことがあると思います。自分とは関係ないと思っている間は、平穏に暮らしていることができますね。もし、保育園に通っている甥(おい)っ子に落ち着きがなく「ADHD(注意欠如多動症)の可能性がある」と言われたりすると、もうそれこそ落ち着いていられませんね。
発達障がいの定義や診断は、時代とともに変遷しています。最近は、障がいへの「支援」を重視する立場から、自立のために「どの程度の支援が必要か?」という観点から診断根拠を求める姿勢に変わってきました。
「落ち着きがない」という見かけだけでなく、本人の困り具合を見積もって「支援が必要である」と判断することで総合的に「障がい」の診断を下す根拠とします。年齢や環境から「今は」支援を必要としないような場合でも、「近い将来」入学などの環境の変化で「支援を必要とする」可能性があれば、前向きに診断根拠となります。
発達障がいの症状とされるものは、「多動(落ち着きがない)」や「社会性(人づきあいができない)」など、多くは誰にでもある自然で生理的なものが「極端に」なっているものです。ですから、「極端」と「それほどでもない」の間に存在する人たちが結構いるものです。そんな人たちを「〇〇っぽい」と呼んだりすることがあるかもしれませんね。「障がい(支援が必要)」と「正常(多数の側)」の間がたくさんあるということを「スペクトラム(連続体)」といいます。スペクトラムは、「スペクトル」のラテン語で、もともと光が分光器で虹色に別れる様子を示すものです。人生いろいろ、性格いろいろ、発達もいろいろということでしょう。
あなたの中にも「発達障がい」の微(かす)かな色があると思います。うなずくあなたは、そこを頼りに身近な発達障がいのある人と繋(つな)がってみてはいかがでしょうか。あなたにとって素敵(すてき)な発見があると思いますよ。お互いの「支援」(支え合い)の中で、障がいのある人もない人もこの素敵な「虹」の下で平穏に暮らしていけるとよいですね。