医療安全

中田安彦・愛聖クリニック(2016年12月13日掲載)

リスク知ることが第一歩


 皆さん、安全について考えたことがありますか?


 私自身はいつも医療安全について配慮していたつもりでしたが、東京で開かれた医療安全学会主催の研修会に参加して目からウロコが落ちたような感じでした。まず驚いたのは、「安全は存在しない」「常に存在するのはリスク(危険性、将来における危険の発生のしやすさ)である」と言う言葉でした。


 確かに考えてみれば、リスクをいかに的確に予測し、確実に防止するかが安全性を高めます。安全とは、一人一人が力を合わせて作り出すものであると思います。常に目的のある行為にはベネフィット(便益)とリスク(危険性)が伴うのでバランスが大事です。


 リスク対策の第一歩はリスクを知ることです。例えば:針刺し事故。エイズが報告される以前の日本では、医療従事者の針刺し事故は日常茶飯事であったため必ずしも事故とは思いつかなかったようです。しかし、血液感染を起こす原因として針刺し事故は危険な事故として認識されて多くの対策が立てられ、現在ではかなり減少しています。つまり、リスクを知る、これは事故であると認識されて初めて対策が立てられて安全性が高まるのです。


 読者の皆さん、今日1日を過ごしてうっかりミス、忘れ物をしませんでしたか? 人は誰でも間違える生き物です。だから人は間違いを犯すという前提で安全対策の仕組み作りをする必要があります。医療事故を防ぐために多くの医療機関では、様々な対策を立てています。以下に一例を挙げてみました。


  • 1.忙しい時でも業務は手順通りに行う(相手にせかされても急がない)
  • 2.指示は正確に、分かりやすく伝える。必ず復唱(Wチェック)する。
  • 3.忙しい時間帯に業務を集中させない工夫をする。
  • 4.過ちから学ぶ
  • 5.コミュニケーションを頻繁にとる。
  • 6.患者さん自身あるいは患者さんの家族も治療チームの一員になる(患者さん=お客さんではない)

 皆さん、絶対な安全はありえません。皆で今日よりも安全性を高めていきましょう。

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