海外旅行の注意
二木良夫・ありがとう子供クリニック(2016年12月6日掲載)
保険加入を忘れないで
正月、お盆の長期休みで、海外旅行に行く人がたくさんいます。その時に、絶対に忘れてはいけないのが海外旅行保険です。クレジットカード海外旅行保険があるから安心、その分をお土産に使おう、と考えるのは大間違いです。
クレジットカードで補償してくれるのは、100万~200万円です。海外、特にアメリカの医療費はびっくりするほど高額です。初診料だけで、約1万5千~2万円。インフルエンザの治療薬タミフルは、5日分で約1万5千円。骨折の治療費は約5万~6万円。盲腸(虫垂炎)の手術の総費用は、2日入院した場合で、160万~200万円。救急車はもちろん無料ではなく、5万~10万円かかります。クレジットカードだけでは、全く不十分です。
私は、ハワイで小児科医として開業していましたが、子どもは旅行の時によく熱を出します。直前に少し風邪ぎみで熱っぽくても、海外旅行の場合はほとんど決行されます。ホノルル空港に着いた途端に熱を出し、ホテルで熱性けいれんを起こすということが、よくありました。
けいれんが長引いて、集中治療室(ICU)に入院し、さまざまな検査をして退院する時に、何百万の請求が来ることは珍しくありません。もし心臓発作(心筋梗塞)などを起こして、手術などを受けた場合の医療費は1千万円を軽く超えます。
またあまり知られていないことですが、基本的な海外旅行保険は、新しく発症した急性期の病気しかカバーしません。別の言い方をすると、持病(慢性疾患)が悪くなった時は、カバーされません。これは先ほど述べた熱性けいれんにも当てはまり、以前、熱性けいれんを起こしたことがある場合は、保険が適応されません。保険内容をしっかり確認して、持病が心配な方は、持病に対応できる保険特約に入るなどした方がよいかと思います。
海外旅行を楽しいものにするためにも、お守りだと思って、出発前に海外旅行保険に加入されることを強くお勧めします。