美容と再生のトレンド

新垣実・新垣形成外科(2016年11月22日掲載)

知らなきゃ損する!?


 ケガで失った体の一部や、老化でシワだらけの顔が、先端技術で元通り。…SF映画でよく出る1シーンですが、再生医療の進歩により、こんな夢のようなお話が、だんだんと現実味を帯びています。


 美容医学の世界でも、再生医療を利用した新しい治療が開発されています。美容医療の対象は主に「若い頃の自分に戻りたい」「自分の理想の外見になりたい」という希望ですので、異物、副作用のある薬剤、大掛かりな手術などより、細胞が持つ再生力を利用した自然な治療が好まれるのは、当たり前なことと言えます。


 美容における再生医療としては、血小板が持つ豊富な細胞成長因子を利用したPRP(多血小板血漿(けっしょう))療法があります。ヤンキースのマー君が肘を治療したことでも有名ですが、血液中の「血小板」だけを濃縮すると、皮膚へのアンチエイジング効果が高いことが明らかになっています。PRP療法は再生医療等安全性確保法に基づき、厚生労働省から認定をうけた医療機関でしか実施できません。


 PRPはくすみ、小じわなどを改善し、透明感とハリのある若々しいお肌にするための治療ですが、成分を調整したPRPF療法という治療もあります。PRPFは、顔のくぼみを埋める効果にすぐれ、効果が永久的なため、上まぶたのへこみや下まぶたのクマ、ほうれい線などに注射します。


 より多くのボリュームが必要な代表的な治療は、豊胸です。自然なバストアップを希望される方には、脂肪吸引で採取した脂肪から、遠心分離という方法で不純物を除去し、胸に注射するCRF豊胸が効果的です。異物を用いない自然さと、気になる部位を同時にスリムにできるのが利点です。


 医療技術は日進月歩で発展しています。若々しさ、美しさを安全に、効果的に得る方法を賢く利用する人も増えています。一方で、効果を過大に誇張する広告もまん延しつつあります。美容医療も安全性と科学的根拠を持つ医学であるべきです。専門医ときちんと相談し、説明をよく理解した上で治療を受けることが大切です。

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