大腸がんの予防
清水健・しみず胃腸内科21(2016年10月25日掲載)
腺腫の早期切除が鍵
外来で診療を行っていると、患者さんから「大腸がんの予防はどうすればいいの?」と聞かれることがあります。大腸がんの予防には食事・生活様式などの発症リスクを減らす一次予防と、大腸がんまたは大腸ポリープを早期に発見し、治療を行うことによって死亡率を減少させる二次予防、そして大腸がんになってしまった患者さんが再度大腸がんにならないために定期検査を継続して受け続ける三次予防があります。
一次予防に関しては、赤身肉・加工肉や高脂肪食の過剰摂取、飲酒・喫煙の習慣が大腸がんになるリスクを高め、一方で積極的な運動、体脂肪の減量、食物繊維・野菜・果物、カルシウム・牛乳を積極的に摂取すると逆に発症リスクは減少するということが最近分かってきています。
二次予防は検診で行う便潜血反応検査、そしてさらに精密検査として行う大腸内視鏡検査を受けることによって、大腸がんをより早い段階、強いて言えば大腸ポリープの段階で発見し治療することです。大腸ポリープのほぼ8割は腺腫と呼ばれる大腸粘膜が異常に増殖したものです。腺腫の一部は大きくなるといわゆる前がん状態となり、その大きさが10ミリ以上になるとがん細胞を中に含む可能性が高くなります。
さらに、このがん細胞が大腸粘膜を超えて筋層まで深く進展すると進行がんとなります。進行がんになってしまうと、治療として外科手術が必要になり、他の臓器への転移も問題になります。よって、いかに早い段階の腺腫でポリープを発見し切除するかが、まさに「大腸がんの予防」の鍵となります。
また一度大腸に腺腫や大腸がんが見つかった方は、再度別の場所に大腸がんが発生する可能性が高いため、三次予防としてその後も定期的に内視鏡検査を受けて再発を予防することも大切です。
日常の食生活や嗜好(しこう)を改善して健康を保ち、大腸がん検診や内視鏡検査を受けて早い段階で大腸ポリープを発見・治療し、その後も定期的に検査を受けること、この三つが「大腸がんの予防」になります。