肥満喘息
町田宗正・町田医院(2016年8月9日掲載)
長引く咳、体重が原因?
成人の3~4%が喘息(ぜんそく)だといいます。咳(せき)が長引いて、なかなか治らないと受診したら、喘息だったということも珍しくありません。喘息の原因はいくつか知られていますが、その中の肥満喘息についてお話します。
喘息外来で肥満の患者さんをよく経験します。近年の研究でも、肥満は、特に女性では2倍喘息になりやすいことが分かってきました。吸入薬などの治療が効きにくいのが特徴で、難治性の喘息になりやすいといわれています。脂肪細胞から分泌されるレプチンなどのホルモンが、気管支の炎症を悪化させ、喘息を増悪させます。つまり、内臓脂肪が喘息を悪化させるのです。
肥満は皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満に分けられます。皮下脂肪と異なり、内臓脂肪はホルモンをたくさん分泌します。一見太って見えなくとも、内臓脂肪型の肥満傾向にある人は喘息の発症リスクが高いといえます。さらに、肥満になると、おなかの脂肪が肺を圧迫し、呼吸能力が低下し、喘息を起こしやすくなります。睡眠時無呼吸や胃と食道の逆流などの症状も起こってきます。
肥満は農耕生活を始めたころから発生してきたもので、小麦などの穀物類を必要以上に摂取すると、インスリンなどのホルモンが分泌され、細胞で脂肪の蓄積を促し、肥満になることが分かってきました。沖縄はかつては長寿日本一でしたが、アメリカの影響を受けた食生活で、肥満率は男女共に全国トップになり、短命県になってしまいました。
肥満を治せば、喘息が改善することが分かっています。喘息で肥満という方は、薬を使って発作を治療すると同時に体重のコントロールが必要です。肥満の多いアメリカでは、喘息の治療のために肥満手術が行われています。
肥満を改善するために、テニスプレーヤーのジョコビッチ選手もやっているという糖質制限食、そして運動療法として、夕方の1時間のウォーキングをお勧めします。