大腸がん
加藤航司・沖縄協同病院(2016年6月28日掲載)
うんちの中のSOS
大腸がんは増加傾向です。2013年には全国で4万8千人が大腸がんにより命を奪われました。とりわけ沖縄県における大腸がん死亡率は全国最悪の水準で、全体では全国ワースト2位、女性では全国ワースト1位という現状が新聞でも報じられました。健康長寿おきなわは、もはや過去の話なのかもしれません。
大腸がんになるとどのような症状が出ると思いますか? 痛み? 吐き気? 実は早期の大腸がんは何一つ症状がありません。症状が出ず、ひそかに進行するのが大腸がんです。がんが大きくなると、便が細くなったり、便に血が混ざったりしますが、症状が出た時にはある程度進行してしまっています。
がんは早期発見が大切です。大腸がんの場合、早期がんで発見された方の9割は治ります。大腸がんの治療は大きくおなかを切る? 実はそうでもありません。小さく根の浅いがんの場合には大腸カメラだけでがんを取り去ることが可能です。根が深いがんの場合には手術が必要ですが、おなかに1センチの穴を数カ所開けて、その穴だけで行う腹腔(ふくくう)鏡手術が多く行われています。さらに最近ではおへそに開けた1カ所の穴だけで手術をする単孔式腹腔鏡手術という方法も開発されており、傷痕がほとんど残りません。どの方法でも手術から2~3週間で元の生活に戻ることができます。
それでは大腸がんの早期発見には何が必要でしょうか? そのカギは大腸がん検診です。男女とも40歳以上の方が対象です。検診ではまず便潜血検査を行います。大腸がんは小さなうちからわずかに出血をします。目に見えないほど少量の出血でも検査でとらえることが可能です。便潜血検査は自宅で行う事ができ、便の表面を棒でこするだけの簡単な検査なので痛くもかゆくもありません。便潜血異常は大腸がんからの救難信号かもしれないので、異常があった場合には大腸カメラを受けましょう。
大腸がんは知らないうちにできています。健康で体力に自信のある方も、40歳を超えたら大腸がん検診をぜひ受診して下さい。