キリンの血圧、ヒトの血圧

比嘉耕一・ひがハートクリニック(2016年6月21日掲載)

変動幅小さくすること


 キリンの血圧は高いことで有名です。ヒトの血圧よりもはるかに高く、最高血圧260mmHg、最低血圧160mmHg(260/160と表記)です。キリンの血圧よりさらに高いのが七面鳥で、最高血圧が200~300mmHgあるそうです。それぞれ血圧が高い理由が異なり、キリンの場合は頭が心臓よりずっと高いところにあるためです。七面鳥の場合は、血液がドロドロ(粘度が高い)で、それを全身に流すためには強い力が必要なのです。


 ヒトの血圧は120/80が至適血圧とされていますが、加齢によって徐々に上昇していきます。その血圧を決めるのは心臓が1回の収縮で押し出す血液量と細小動脈の抵抗です。ヒトの血圧が高くなる理由は、血管の抵抗が加齢とともに増加するためです。


 また塩分の摂取が多いと、血液量が増加し血圧が高くなります。血圧を上げる原因はさまざまですが、怒り、興奮、緊張、ストレスなども交感神経を緊張させ血圧を高くします。心臓は1日10万回収縮しており、血管の壁はその度に血圧という力で押されています。血圧が高ければ高いほど、血管の壁に働く力が強く、血管は傷害を受けます。その結果として、動脈硬化が進み、血管が塞(ふさ)がったり切れたりするのです。


 血圧はいつも同じ値ではなく、季節変動、日内(にちない)変動、時間変動、一心拍ごとに変動しています。それでは血圧の変動幅を知るには、どうしたらいいのでしょうか。自分で頻回に血圧を測定してみるか、あるいはABPM(24時間自由行動下血圧)で知ることができます。


 高血圧治療の目標はまず血圧を下げることですが、変動幅を小さくすることも大切です。例えば、夜間高血圧、早朝高血圧などは脳卒中の危険度を高めます。また家庭血圧とクリニックで測る血圧と大きく異なることがありますが、これはどちらもその時々の血圧の状態を正確に表しています。そして自分で測定する家庭血圧のほうが、より大切だということが分かっています。家庭血圧は正常だが健診やクリニック等で高くなる場合は「白衣高血圧」と言われ、一般的には治療は必要ありません。

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