病気とストレス
原信一郎・はらクリニック(2016年6月14日掲載)
片頭痛、適切対処を
患者の中には“頭痛”を訴える方が少なくありません。「若い頃から片頭痛持ちで、市販の薬をよく飲んでいる」と言います。頭の片側が痛いから「片頭痛」と思っている方が多いようです。片頭痛についての知識を整理して適切な対処法を身に着けていくことが大切です。
片頭痛は、慢性の頭痛の一つで頭痛発作を繰り返す病気です。日本人の8.4%にみられ、女性に多い病気です。発作は、4~72時間持続し、片側性でズキンズキンと痛む拍動性の頭痛です。
痛みの程度は、人それぞれです。歩行や階段昇降などの日常的な活動で悪化して寝込んでしまうことがあります。また、痛み以外に吐き気・嘔吐(おうと)や光をつらく感じる「光過敏」、音を実際の音よりつらく感じる「音過敏」を伴うこともあります。ただし患者の約半数に両側が痛み、拍動性ではない痛みがあり、肩こりや首のこりを訴える方がいます。「緊張型頭痛」と安易に診断しないことが大切です。
片頭痛は、「前兆のない片頭痛」と「前兆のある片頭痛」に大別されます。「前兆のある片頭痛」では、特に目の前兆として「閃輝暗点(せんきあんてん)(視野にジグザグした形が現れ、その周囲がキラキラ光る閃光(せんこう)がみられ、キラキラの内側が見えにくい)」が特徴的です。
片頭痛の発症と増悪には、天候の変化、月経、過睡眠、アルコール多飲などの要因が影響していますが、最も影響をもたらす要因はストレスです。家庭、職場、学校における人間関係に伴う不快・不安などが解決されずに持続しているような心理社会的ストレスが密接に関与しています。また、痛みとストレスにより不安や憂うつ気分になることも多く、うつ病やパニック障害と共存することもあります。
従って、その治療は心身両面からのアプローチが必要です。適切な薬物療法だけでなく、さまざまなストレスに適切に対処していけるような心理療法が大切です。なお、頭痛を治すため、薬を飲みすぎてかえって頭痛を起こしてしまう「薬物乱用頭痛」にも注意が必要です。