アレルゲン免疫療法

屋宜晃・やぎSUNクリニック(2016年5月10日掲載)

新治療で鼻炎の症状緩和


 アレルギー性鼻炎とは、くしゃみ鼻水鼻づまりを症状とする病気で、いまや国民の約2割が発症していると言われています。本土の方では2月中旬から3月にかけてスギ花粉が飛散し、多くの人がスギによるアレルギー性鼻炎症状が出現し、日常生活にも支障が出るとの報道が毎年されています。


 幸いにも、スギが自生していない沖縄県ではこのようなことにはなりませんが、高温多湿でコンクリート住宅でアルミサッシの住宅が多い沖縄県では、家ダニによるアレルギー性鼻炎が8割を占め問題となります。


 アレルギー性鼻炎は、鼻腔(びくう)に侵入した異物を排除する免疫が過剰に働くことで起き、原理的には異物がなければ症状は出ません。従って、スギ花粉が飛散していない沖縄では、スギ花粉の患者さんも症状が出ないことになります。しかし、布団やじゅうたん、畳敷きの部屋に家ダニは多く存在し、掃除機を使用することで、数は減らせますが、ゼロにすることは不可能です。


 そこで、ダニによるアレルギー性鼻炎の方は、症状を緩和させるために薬を内服することになりますが、ダニの場合は1年を通して室内に存在するため、薬を1年を通して飲むことになります。今までの薬は対症療法で症状を緩和するだけのもので、副作用として眠気と中枢神経抑制が起きる場合もありました。


 ところが昨年の冬に新しく過剰な免疫反応を抑えることができる薬が出現しました。その薬による治療法をアレルゲン免疫療法と言い、アレルギーの原因であるアレルゲン(ダニエキス)を少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、症状を緩和する治療法です。


 これまでも同様な目的で皮下に注射する方法がありましたが、毎回注射する痛み、頻回の通院、アナフィラキシーという重篤な副作用が起きる可能性があり、あまり普及しませんでした。今回認められた薬は舌下に薬を含ませるだけでよく、また重篤な副作用も少なく、多くの患者さんに福音となることが期待されています。

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