大切な脳を守るために
宮城哲哉・国立病院機構沖縄病院(2016年3月1日掲載)
脳卒中の「大原則」把握を
脳卒中は寝たきりの原因の第1位で、死亡原因の第4位です。「元気で長生き」を最も脅かす身近な国民病です。
脳卒中には脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血が含まれ、世界中で6人に1人は一生のうちに脳卒中を発症し、発症した人は年間5~10%とかなり高い頻度で再発します。
発症したら一刻も早く専門医療機関を受診して下さい。いざという時にどの専門医療機関を受診すべきか事前の下調べも大切です。「脳卒中は発症したら治療法はない、予防が大切だ」と消極的な対応しかできない時代は終わりました。
脳卒中の特に脳梗塞では、発症から3~6時間以内に適切な医療機関での適切な初期治療によって、自立した状態で日常に復帰できる可能性が高まります。ただし、手当たり次第に脳卒中かもしれないから急がなきゃ、と焦って救急車を呼ぶことは厳に慎むべきでしょう。
それでは、どんな時に脳卒中を疑い救急車を呼べばいいのでしょうか。
まずは(1)何時何分に発症したと言い切れるほど突然に明確な症状が出現し持続すること(2)基本的に顔や体の片側に出てくること-の二つの特徴を満たしていることが、一般的な脳卒中発症時の大原則です。
(1)は突然の発症であっても曖昧な症状が一過性に生じた場合は脳卒中疑いとしません。ご注意ください。意識が急に悪くなり返事も話しかけへの理解もできなくなった場合は(2)を判断できませんので、(1)だけで大原則を満たします。大原則に合致するかをまずは判断してください。
発症時の代表的な症状を表にしました。症状はこの中から1種類だったり複数の種類の組み合わせだったりします。大原則に合致して表のいずれかの症状が疑われたら脳卒中疑いが濃厚です。早急に救急車を呼び、適切な初期治療を受けましょう。