内服薬による鼻出血

小杉忠誠・名護記念クリニック(2016年2月16日掲載)

経口抗凝固薬に注意

 血管が破綻すると血液成分が血管外へ出て、出血となります。動脈からの出血は早急に止血しなければ生命に関わりますが、静脈からの出血は、出血速度が遅いため止血操作に十分時間を費やすことができます。


 血管の破綻を生じる原因は、血管外からの外力による場合と、血液成分の異常による場合とに大きく分けることができます。血管の直下に骨、軟骨等の硬組織のある部位では、わずかな外力によっても血管が簡単に破綻し、出血が生じます。鼻には毛細血管が豊富であり、なおかつそれらの直下には軟骨組織があり、小さな外力でも出血がみられます。


 鼻出血の70~80%は前鼻出血であり、鼻腔(びくう)の前部からの出血です。前鼻からの出血は、鼻翼の圧迫、鼻腔へのタンポン等で止血することができます。機械的刺激による出血は、洗顔、鼻かみ、鼻のかゆみによる掻把(そうは)、腹臥位(ふくがい)等の鼻部の圧迫等が原因となります。


 アレルギー性鼻炎の〓痒(そうよう)感による鼻いじり出血は、小児では最も多くみられます。高齢者では、鼻腔内乾燥感に伴う鼻いじりが原因の場合が多いようです。悪性腫瘍や出血性鼻茸(はなたけ)等の鼻疾患に随伴する出血もみられます。


 後鼻出血は口腔(こうくう)内、後鼻腔へと流血し、血性の痰(たん)となって現れることがあります。このような症状のときは、耳鼻科医の診療、処置が必須となります。


 局所的原因による他に、全身的原因に基づく鼻出血もみられます。多くは血液成分の異常、血管壁の脆弱(ぜいじゃく)化等が原因となります。血友病、血小板減少症、白血病等でもみられます。


 最近、特に多くみられる鼻出血の原因としては、内服薬に基づくものです。脳梗塞等の予防、治療のために開発された新規経口抗凝固薬、抗血小板薬の内服に伴う鼻出血があります。個々の患者さんに適した投与量が必要となります。


 これら薬物を服用中の患者さんは、主治医に相談されて、適正な内服量を決定してもらう必要があります。


※注:〓はヤマイダレに「蚤」

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