ファーストエイド

久木田一朗・琉球大学医学部付属病院救急部(2016年2月9日掲載)

あなたの行動が命守る

 急な病気やけが、窒息、溺水、ムシに刺された、猫やヘビ、コウモリに咬(か)まれた、暑い中での作業中に同僚が倒れたなどの緊急事態はできれば起きてほしくありません。でも、起きた時の応急処置を学び、備えていれば、いざという時にとても役立ちます。


 ファーストエイドとは、救急隊の到着、あるいは病院に着くまでに行う応急の処置です。熱のあるお子さんの額に氷枕を当てるなどの手当ての経験はありますか。もしその緊急事態が突然の心臓の停止であったら、ファーストエイドがとても重要です。病気やけがと言ってもさまざまで、すべてに対して細かく説明することはできません。緊急事態に共通する基本的で大切なポイントを知っていれば、あなたの大切な行動に役立つでしょう。


 まず大事なことは安全の確認です。事故現場など、救助しようとして自分が事故に巻き込まれてしまっては、救助される人が1人増えるだけです。安全を確認し、「周囲は安全です」と言いましょう。自分の限界も考えて助けも呼びましょう。次に、助けたい人が知らない人であれば、救助が必要かどうかを傷病者に確認することも重要です。一方、ご家族でも半身の麻痺(まひ)が出現し、脳卒中が疑われても、痛みがなければ救急車を呼ぶなという人がいるかもしれません。麻痺やしゃべりにくさが出現した場合、いち早く119番通報しましょう。


 意識がなければ、救急車を呼びましょう。すぐに救急車を呼ぶのは、命を助けるための大きな、大きな第一歩です。他に人がいれば、自動体外式除細動器(AED)も持ってくるように伝えましょう。意識がなく呼吸がないか死戦期呼吸といって、非常に早い吸い込みと1回ずつの呼吸の間が長い場合、心停止と判断して直ちに胸骨圧迫から心肺蘇生法(CPR)を開始しましょう。心停止を判断して通報し、早期にCPRを開始し、AEDを使用することが救命に最も重要です。ファーストエイドを学べば、今日はあなたが変わる日です。

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