変形性膝関節症
奥田和弘・おもろまちメディカルセンター(2016年1月12日掲載)
人工関節は最終手段
少し前に、ある病院で人工膝関節の手術を強く勧められ、今手術を受けるべきか相談に来られた方がいました。あらためてレントゲンを撮り直すと、確かにO脚変形を認め、動き始めの痛みがあるけれど、歩き出すと痛みはほとんどないという状態でした。痛み止めとヒアルロン酸関節注射を5回受けた後で、運動療法は行われていなかったので自宅での体操指導を行い、痛み止めの変更、注射の継続で徐々に痛みが軽快し、現在は時々外来で様子を見ている状況です。
変形性膝関節症の治療としては、痛み止めや関節注射のほか運動療法、装具療法もあり、また、減量も効果があると言われています(保存治療)。これらを少なくとも半年~1年以上十分に行っても、日常生活に困る痛みが継続している際に手術を考慮するべきと思われます。レントゲンで関節の変形を認めてもさほど困っていない場合には急いで手術を受ける必要はありません。
手術の具体的な方法としては、大きく分けて人工関節と骨切り術に分かれます。人工関節には、膝の表面を全て取り換える全置換術(TKA)と痛めている内側だけを取り換える単顆(か)置換術(UKA)があります。どのタイプが適しているかは主治医の先生との相談となります。また、寿命が15~20年程度と言われていますが、細菌がつく感染を起こしてしまうと、治療に難渋する場合があるなどの欠点があります。さらに術後には定期検診も重要です。
骨切り術は文字通り脛(すね)の骨を一部切って骨の向きを変えることで膝内側への負担を減らす方法です。自分の骨が残るという意味ではよい方法ですが、術後体重をかけられない期間が必要で、手術手技に熟練を要するため最近は減少傾向です。
沖縄県では、1年間に人工膝関節の手術が1000件以上行われていますが、特にTKAはいわゆる最終手術であり、これ以上の手術はありません。今受けるかどうか迷った場合には、しばらくの保存治療の継続や変更を主治医の先生に相談してみてください。