質の良い睡眠

山川いずみ・名嘉村クリニック(2015年11月17日掲載)

時間の長短 気にせずに

 「私は8時間睡眠をとらないんですけど大丈夫ですか」。診察室でよく聞かれる質問です。その答えは「睡眠時間は人それぞれです。日中の眠気で困らなければ十分です」


 人の睡眠時間には生まれつき大きな個人差があり、また年齢とともに短くなりますので、日中の活動に支障がなければ、ご自分の睡眠時問が長い短いと思い悩む必要はありません。


 年を重ねると睡眠時間が短くなることとは逆に、就床時刻が早くなります。特に、退職後の60歳代以降ではその傾向が顕著です。そのため寝床にいる時間が長くなり、結果的に寝床の中で目覚めている時間が長くなります。その目覚め時間が苦痛で、あせりや緊張が強まって不眠が悪化する悪循環に陥ります。


 「8時間睡眠」にこだわると睡眠への不満や不安が高まるばかりなので、日中の活動が悪化しない程度の睡眠時間を目標にすることが大事です。


 また、眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ、寝つきを悪くします。眠たくなってから床に就くようにしましょう。眠りが浅い時は、むしろ積極的に遅寝、早起きにしましょう。


 長い昼寝は夜の睡眠の質を低下させるので避けましょう。昼寝をするなら午後3時より前に30分程度が良いです。


 毎日定時に起床して日光を浴びることは体内時計の安定化作用があります。


 寝付ける時刻を一定にするには、朝の起床時刻をきちんと合わせることが近道です。


 ただし中高年では体内時計の時刻は早くなっているため、早朝覚醒など睡眠リズムが前倒しになるタイプの不眠が多くなります。そういうタイプの方は夕日を浴びて体内時計を後退させるようにしましょう。


 食事や運動にも体内時計の安定化作用があります。特に有酸素運動は睡眠の質を改善する効果があります。夕日を浴びながら早足での散歩は効果的と言えます。

このページのトップへ