便潜血検査
打出啓二・下地診療所(2015年9月29日掲載)
病気の早期発見、治療へ
皆さんが毎日食べるごはんは、食道・胃・十二指腸・小腸・大腸を通って消化吸収され、便として肛門から排出されます。その経路の中で、最もがんができやすいのが大腸です。便を専用の容器に採取し、その便の中に血液が混じっていないかを調べるのが、「便潜血検査」です。ある程度の大きさのがんが大腸にできている場合、がんの部分から少しずつ出血することが多いので、そのがんからの出血を捉えるのが、この検査の目的です。
では、検査前に、血のしたたるようなおいしいステーキや焼き肉を食べてしまったら、検査結果はどうなるでしょうか?「便潜血検査」はあくまでも人の血液だけに反応しますので、牛、豚やヤギなどの肉を食べたあとでも、安心して検査を受けてください。「便潜血検査」で陽性が出ましたら、痔(じ)からの出血の可能性もありますが、大腸がんからの出血の可能性も否定できません。
患者さんの中には、「便潜血検査が陽性だったので、再検査をしてください」と言われる方もいらっしゃいますが、再検査は意味がありません。なぜなら、再検査をして便潜血検査陰性であったからといって、大腸がんの疑いが完全に晴れる訳ではないのです。通常、2日間連続して便を採取していただくのですが、1回でも便潜血反応陽性でしたら、2次検査として大腸内視鏡検査を受けてください。
検査当日朝から下剤をたくさん飲んでいただき、腸を空っぽにした後、肛門からファイバースコープ(大腸内視鏡)を挿入し、大腸の粘膜を直接観察することにより、大腸がんなどの病気を早期に発見することができます。最近は、大腸用のカプセル内視鏡が世の中にはありますが、値段もまだまだ高いですし、健康保険の適用条件が厳しいので、あまり普及していません。それに、万が一病気が見つかっても、カプセル内視鏡では組織を採取して検査することができません。いずれにしても、大腸がんの患者さんは確実に増加していますので、定期的に健診を受け、早期発見、早期治療に努めましょう。