育児用品
小濱守安・県立中部病院(2015年9月22日掲載)
発達合わせ 正しく使用
多くの育児用品は、事故に対する安全性が担保されていますが、赤ちゃんの発達は目覚ましく、正しく使用しないと予期せぬ事故や運動発達へ影響することがあります。
赤ちゃんは、生後3~4カ月で首がしっかりし、生後5~6カ月頃に寝返りします。6~7カ月になるとずりばいし、8カ月頃から両手両足を交互に動かすハイハイを始め、一人で座れるようになります。9~10カ月頃にはつかまり立ち、伝い歩きを始め、1歳頃に一人歩きします。このように乳児は段階を追って運動機能を獲得していきますが、運動機能が同月齢より3カ月以上遅れている赤ちゃんは、対応が必要となります。
最近、外来や健診で運動器発達の遅れに育児用品の関与が疑われる赤ちゃんに遭遇することがあります。10カ月健診でハイハイできない赤ちゃんの場合は、生後4カ月頃から洗濯や掃除など家事を行う際、ベビーチェアに座らせていました。時々声をかけると嫌がらず座っているので、手がかからない赤ちゃんと考え、そのまま座らせていたそうです。ベビーチェアに入っているので、寝返りやずりばいの機会が少ないことを助言し、ベビーチェアの使用を控え、あおむけに寝かせて周りからのかかわりを多くしてもらったところ、1カ月後にはハイハイし、2カ月後には伝い歩きができるようになりました。
また早く歩けるようにと生後5カ月から歩行器に入れていた生後9カ月の赤ちゃんは、一人座りができず、つかまり立ちさせるとつま先で立ち上がり、後ろにひっくり返りました。歩行器から出して自由にハイハイさせるように助言したところ、すぐに自分で座りしっかりとつかまり立ちできるようになりました。
歩行器は転落や転倒事故、発達への悪影響が指摘され、使用禁止の国もあります。親にとっては、わが子が早く立ち上がり歩いてほしいものですが、発達には個人差があります。競争ではありません。「子育ての負担が軽減されます。家事ができます」とうたっている育児用品の中には、赤ちゃんの発達の面からは、必ずしも望ましいものではないこともあります。