眼球内に破片
具志堅直樹・ぐしけん眼科(2015年9月15日掲載)
草刈り機使用時ゴーグルを
イラストは、目に釘(くぎ)が刺さったと訴えて受診された患者さんの様子です。「草刈り作業を終えて、草刈り機を地面に置いたら、刃がまだ回転していたため、地面に落ちていた釘に当たり跳ね返って目に刺さった」とのことでした。診察すると4~5センチのさびた釘が目に刺さっていました。
ほかに「畑で草を刈っている時に石が跳ねて目に当たった」「草刈りをしていたら急に涙が出て、見えなくなった」と受診した患者さんがいます。ゴーグルを着用せずに、草刈り機を使用するとこのようなことが起こり得ます。草刈り機の刃先に、石が当たって跳ねたり、刃先が欠けたりして、その破片が飛んで目に刺さるのです。「目が痛くて開けられない」「ぬるい涙が出てとまらない」と訴えられます。
眼球内に破片が入り込んで残った場合には、出血や網膜剥離を伴うことがあり、緊急の異物摘出手術が必要になります。2~3回の手術が必要になることもあり、治ったとしても元通りに視力が回復することはまれで、最悪の場合、失明することもあります。
このような悲惨な事故は、ゴーグルを着用すれば防げた事故です。「少しだけの草刈りだったので、たまたまゴーグルをしなかった」「ゴーグルをしたら汗で見づらくなるのでしなかった」という、ちょっとした不注意、油断が、失明に至る重大な事故につながっています。
草刈り機はホームセンターやインターネットから手軽に購入することができます。道端で、草刈り機を使って草を刈っている人もよく見かけます。ただ草刈り機を使う時には、ゴーグルや保護カバーを着用することが勧められています。皆さんの周りで、ゴーグルや保護カバーをせずに、草刈り機を使っている人を見かけた時には、ぜひ「ゴーグル、保護カバーをするように」と声を掛けてあげてください。もちろんサングラスは、ゴーグルの代わりにはなりません。サングラスの下から石が入ったり、サングラスが割れたりすることがあります。
ちょっとした心掛けや周りの人の注意喚起で目の安全を守ることができます。