子どもの近視

森山無価・南城眼科(2015年9月1日掲載)

適正眼鏡で進行予防

 春に小中学校で視力検査が行われていますが、視力が出づらかったお子さんもいると思います。今回はその原因で最も多い「近視」についてのお話です。


 近視の原因は遺伝的なものが大部分とされていましたが、近年、近視のお子さんが多くなっていることから環境的なものも関係していると考えられています。強度の近視にまで進行すると成人してから網膜剥離や緑内障、黄斑変性の危険性が大きく増加します。


 目はカメラのような構造をしています。正常であれば網膜というフィルムに相当する部分にきちんとピントが合っているのですが、近視ではこの網膜より前でピントが合っています。逆に遠視では網膜より後ろでピントが合っています。


 近視は仮性近視と真性近視に分かれます。仮性近視はピントを合わせる力(調節力)が過剰に働き一時的に近視になっている状態です。調節力を緩和する点眼薬で治療することもあります。


 一方、真性の近視は眼球が大きくなって網膜の前方にピントが合っている状態で(図を参照)、この状態になると元には戻らず、眼鏡などで矯正する必要が出てきます。眼球は体の成長とともに大きくなりますので小学校から中学校にかけて近視が進行することになります。


 眼鏡を使い始めるタイミングですが、一般的には学校の黒板が見づらくなったら眼鏡の使用を勧めます。よく眼鏡をかけると近視が進行するのではないかと質問されますが、度数のあった適正な眼鏡であれば眼鏡によって近視が進むことはありません。


 近視の進行を予防する方法についてはさまざまな研究が行われていますが、完全に止めることは現在不可能です。保険適用ではありませんが、オルソケラトロジーという方法や点眼薬での予防効果は報告されています。簡単にできることでいえば、適正な眼鏡を使用する、近くを見る作業(読書、スマホ、携帯ゲーム等)は長時間しない、屋外での活動を多くするといったことは近視進行の予防になりますので心掛けるようにしてはいかがでしょうか。

このページのトップへ