光トポグラフィー検査
外間宏人・琉大医学部付属病院(2015年8月18日掲載)
うつ診断補助に有用
昨今ではテレビのバラエティーなどでも脳科学という言葉があふれ、心を紡ぎ出す脳という臓器の不思議さ、働きについての関心が高まっています。脳活動をモニターする技術も従来の脳波に加え、fMRIなどさまざまなものが登場し、日進月歩となっていますが、今回は光トポグラフィー検査とそのうつ病診療への応用についてご紹介致します。
光トポグラフィー検査では骨を通り抜ける性質のある近赤外線という光を多数の光ファイバーを通して頭皮の上から照射して、脳の表面で反射して戻って来た光を調べることで、その部位の脳血流の変化を知ることができます。光を用いることで、安全性が高く簡便に実施できるのも特徴の一つです。検査中はしり取り遊びのように特定の音節で始まる言葉をできるだけたくさん思い出す作業をしてもらいます。
通常では前頭部を中心に大きく増える血流が「うつ病」では血流の増加が弱く、その部位の機能低下を表していると考えられています。気分の落ち込みや無気力といった「うつ」の状態は、日常のさまざまなつらい体験、ストレスをきっかけに起こります。一時的には、誰でも経験し得るもので、治療を必要とするまでには至らないことも多いと考えられますが、中には経過が長引き、治療を開始してもなかなかそれ以前の元気な状態へ復帰できない方もいらっしゃいます。その際には、診断や治療をいま一度、見直してみることも一つの方法です。
うつ病と症状の似ている疾患として、双極性障害(そううつ病)や統合失調症があり、治療の仕方も異なってきます。光トポグラフィー検査は、それらの疾患との鑑別のための診断補助として有用とされ、昨年4月からは健康保険適応となり、より身近な検査となっています。
検査によって診断、治療方針が変わり快方に向かわれる方や、検査をきっかけに、より前向きに治療へ取り組む気持ちになれたという方もいらっしゃいます。ご希望される方は主治医とよく相談してから申し込んでください。