沖縄の肥満

宮里昌・みやざと内科クリニック(2015年7月28日掲載)

朱に交われば…

 突然ですが、問題です。二つの花びらのような絵があります。左の絵は、中央にある丸が、大きな丸で囲まれ、右の絵は、小さな丸で囲まれています。さて、中央の丸は、左右どちらが大きく見えますか?


 実際に測ってみると、両方とも同じ大きさなのですが、そう言われても、右の絵の中央の丸の方が大きく見えるから不思議です。


 さて、日常の診療での出来事です。肥満の患者さんが、頑張ってダイエットしてきました。「よく頑張りましたね」私がそう言うと、「でも、周りからは、『やせすぎ』とか、『病気じゃないの?』と言われました。」と、かなりの割合の患者さんが答えてきます。そんなとき、私は、この絵のことを思い出します。


 ご存じのように、沖縄県は、成人の肥満の割合が日本一の県です。大きな丸(肥満の人)に囲まれると、標準的な体重でも、小さく見えてしまい、「ヨーガリテー」なんて言われてしまいます。


 2007年に、米国ハーバード大学から、友人や知人など、周りにいる人たちの影響で肥満になりやすくなるとする研究が発表されました。米国の男女1万人余りを30年以上追跡し、友人や兄弟、配偶者、近所の隣人とのつながりと肥満になるリスク(BMI30以上)との関連を調査したものです。


 それによると、友人が太ると、本人が肥満になる確率は、そうでない場合(友人が太らない場合)に比べ、約1.6倍に増加したとのことです。特に、親友が太ると、本人が肥満になる確率は、2.7倍になるという結果でした。また、兄弟姉妹や配偶者が太った場合も、そうでない場合より、約1.4倍増加したとのことです。身近な人が肥満になると、肥満の許容度や食生活、運動習慣などが影響を受ける可能性があると説明されています。


 この研究には批判もあるそうですが、私自身は、「朱に交われば赤くなる」って本当だなと、この説明にとても納得しています。


 皆さん、周りにダイエット頑張っている人がいたら、ぜひ応援してください。そして、できれば、あなたもよい影響を受けて、一緒にダイエットに参加しましょう。

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