ちょっと怖い耳の話
富山健太・とみやま耳鼻咽喉科(2015年7月7日掲載)
異物入ったら早めに対処
私の住んでいる石垣島はすでに真夏のような天気が続いています。そんな季節に増えてくるのが虫です。
皆さんも、耳のそばに虫が飛んできてヒヤッとした経験はありませんか? 耳に入ったのが綿やビーズ玉であれば翌日耳鼻科に行けばいいのですが、虫となれば話は別です。自然豊かな八重山ではこの季節、耳に何かが入ったと来られる患者さんが増えます。その中から少し紹介いたします。
外資系リゾートホテルのバーで飲んでいると耳に何かが入りこみ、痛くてたまらないとアジア系の女性が泣きながら来院しました。診ると中には小さなゴキブリが入っていました。麻酔薬で殺し、丁寧に除去して消毒。これはよくあることですが一番痛いパターンです。ゴキブリは前にしか進めないため、耳に入ると奥に進み、足のとげが耳に傷をつけます。耳はどんどん腫れ痛みが増し、鼓膜が破れることもあります。この場合、迷わずすぐに受診してください。
西表島でバイクに乗っていると突然耳に何かが飛び込んできた男性。なんとけっこう大きなカミキリムシがストライク。これは取るのに苦労しました、耳が腫れると、耳と虫との隙間が埋まりピンセットでつかめないのでフックでひっかけて取るのですが硬くて先がなかなか刺さらず大苦戦。これはすごい確率だから宝くじでも買ったらとアドバイスしましたが、今のところうれしい報告はありません。
これも西表島の方で、1週間くらい前から耳がおかしいとのこと。光をあててみると光に誘われてクモが出てきました。さらにその奥にはクモの巣が‥。耳の中にも巣ってできるのだなと感心しました。
一般的に異物は入った物にもよりますが、早めに対処するにこしたことはありません。それが耳ならば、扱いに慣れた耳鼻科医師でなければ治療困難な場合が少なからずあります。
100年ほど前は今より虫が多く、耳の専門医や治療器械もありませんでしたので、それがもとで大変なことになったこともあったようです。そう考えるとちょっと怖くありませんか?