肺炎球菌ワクチン
内原照仁・沖縄赤十字病院(2015年6月16日掲載)
高齢者対象に定期接種
肺炎は現在、我が国の死因の第3位となっています。肺炎を起こす病原体は数多くありますが、なかでも“肺炎球菌”という菌は頻度が最も高いと言って良く、重症化することがしばしばあります。
肺炎球菌の感染症は、ワクチン接種(予防注射)によって、予防することができるようになっています。商品名は「ニューモバックスNP」(主に成人用)と、「プレベナー13」(現在の我が国では主に小児用)というものがあります。より正確には、肺炎の重症化を防ぐ効果、が得られます。残念ながら、このワクチンを接種すれば肺炎にかからなくなる、というわけではありません。それでも、重症化や死亡のリスクを低下させ、医療費の削減も期待できます。65歳以上の人や、基礎疾患(呼吸器疾患、糖尿病、悪性腫瘍、慢性腎不全など)を持つ人には積極的に接種が勧められています。
2014年10月から我が国では、高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンが定期接種となりました(接種費用の一部を公費で負担します)。ところが、その接種対象者の決め方が少し複雑で、その年度に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳…になる人、と5歳刻みになっていることがあります(これに60~64歳のハイリスク者も加わります)。厚生労働省のホームページにQ&Aが用意されていますので、確認するとよいでしょう。
また、現時点では2回目以降の接種は定期接種には含まれていません。定期接種の実施主体は従来通り市町村です。不明な点はお住まいの市町村に問い合わせしてみてください。上記年齢にあてはまらない人でも希望すれば、自費での接種も可能ですが、接種し忘れてまた5年後まで受けない、ということにならないように注意しましょう。
定期接種に使用されるワクチンは現在のところは、従来、成人に使用されてきたニューモバックスNPですが、今後、プレベナー13も用いられることが検討されているようです。