アレルギー性紫斑病

宮城裕之・おもろキッズクリニック(2015年6月9日掲載)

関節痛や腹痛にも要注意

 下肢を中心に発疹が出現し、足首を痛がっている子どもが来院しました。熱はなく、元気で飛び回っていましたが、その後関節痛が強くなり歩きづらそうにしています。発疹が特徴的で、ある病名を診断しました。また、お腹(なか)を痛がって食欲がないと来院した子どもがいて点滴していましたが、その後下肢に特徴的な発疹が出現し、やはり同じ病気と診断しました。


 このように発疹と関節痛、腹痛を訴える病気に「アレルギー性紫斑病」という疾患があります。別名「血管性紫斑病」「Henoch-Schonlein紫斑病」とも言いますが、何かしらの原因でアレルギー的な反応により、全身の血管壁に障害を起こして症状が出現すると考えられています。


 溶連菌やマイコプラズマ、種々のウイルスなどの病原体感染が原因となることが多いのですが、薬剤、食べ物などが原因となることもあり、また、原因がはっきりしないこともあります。症状が三つとも揃(そろ)っていれば診断は容易につきますが、症状が揃っていないと診断に難渋することもあります。関節痛だけだと整形外科的な病気だと思われたり、腹痛が強いと急性腹症として外科的に処置されることもあります。


 多くは特徴的な発疹がでて初めて診断されるのですが、その発疹は主に臀部(でんぶ)や下肢の前面(脛骨(けいこつ)部)に出現し、大小不同の赤色調ないし暗赤色、青紫などの隆起性紫斑が新旧混在していて、見慣れると比較的容易に診断できます。


 治療は対症療法が主体となりますが、急性期には安静を保つことが大事で、原因が感染と考えられれば抗生剤を投与し、関節痛、腹痛が強ければ鎮痛剤を投与します。特に腹痛は激しい痛みで、しばしば食事摂取も困難となり、血便が出現することもあります。


 時には副腎皮質ホルモンであるステロイドによる薬物療法もありますが、症状の強い時には入院し治療することもあります。症状は軽快したり、増悪したりを繰り返し2~4週間ほどで徐々に落ち着いていきますが、急性期を過ぎると腎炎の合併に注意することが重要で、しばらくは尿検査を繰り返します。腹痛、関節痛を伴う発疹があれば、アレルギー性紫斑病を疑って見てください。

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