食道がん

玻座真博明・はざま胃腸内科クリニック(2015年6月2日掲載)

アルコールとたばこに注意

 ここ数年、著名人が食道がんで治療を受けたり、芸能活動に復帰したりするニュースを、テレビなどで見かける機会が多いように感じます。食道がんの症状は、進行期には食べ物が通らなくなったり、胸が痛んだりしますが、初期では多くは無症状です。ではどういう方が食道がんになりやすいのでしょうか。


 一番注意すべきはアルコールとたばこです。アルコールを毎日1.5合以上飲む方は約8倍、たばこを毎日30本以上吸う方は約4倍、両者では約30倍の発がんのリスクがあるという報告があります。


 よって、アルコールは節度を持った分量で休肝日を設けながら飲むこと、たばこは吸わないことが一番大事であると思われます。また、コップ1杯のビールで顔が真っ赤になる方や、今は普通でも以前に1杯のビールで顔が真っ赤になっていた方がいますが、これはアルコールを分解解毒する力が遺伝的に弱いためです。このような方は飲酒により食道がんのリスクがより高まります。 その他、熱い飲食物、胃酸の逆流、肥満もリスクを上げるといわれています。逆に、野菜や果物をよく食べることはリスクを下げるといわれています。


 禁酒や禁煙をすればがんのリスクは下がりますが、下がり始めるのは禁酒後5~10年後、禁煙後10年後からといわれ、すぐにはがんのリスクは下がりません。食道がんに一度かかったことがある方、現在常習飲酒や喫煙をしている方だけではなく、禁酒・禁煙した方もしばらくはリスクが高いといえるでしょう。


 早期のがんほど根治できる可能性が高くなりますので、食道がんのより確実な治療には早期発見が必要です。最近の内視鏡には特殊な波長の光で照らして観察する機能が加わり、以前のものよりもがんを発見しやすいように改良されています。


 食道がんの予防には、アルコールやたばこ、食事などの生活習慣に注意すること、また、高いリスクにあてはまる方には内視鏡による食道のチェックをおすすめします。

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