不眠症状
吉川仁・県立宮古病院精神科(2015年5月19日掲載)
疾患リスク増大も
皆さんは夜眠れなくて困っているということはありませんか?この100年で日本人の1日当たりの睡眠時間は1.5時間以上短縮したと言われており、現代人の約10%が慢性的な睡眠不足を自覚しているようです。また成人の30%以上が何らかの不眠症状を持っていると言われております。
その不眠症状は、大きく分けて以下の四つに分けられます。それは(1)寝付けない(入眠困難)(2)寝てもすぐに目が覚めてしまう(中途覚醒)(3)朝早くに目が覚めてしまう(早朝覚醒)(4)ぐっすり眠れない(熟眠困難)-といいます。
不眠の症状のために、日常生活に影響が出てしまった状態の事を、不眠症と呼びます。不眠症には、明確なストレスによって生じるタイプから、身体疾患やその治療薬の副作用によって生じるタイプ、さらには精神科疾患の一症状としての不眠もあります。
また不眠症が他の疾患の発病リスクになると言われており、特に糖尿病などの生活習慣病リスクの増大に結びつくとの知見があるため、夜眠れないことが続くようであれば、かかりつけの医院があればぜひ相談された方がよろしいかと思われます。
不眠症の治療薬と言えば、睡眠薬を思いつかれるでしょう。睡眠薬に対しては、癖になるのではないか、一度でも飲むと一生続けないといけないのではないか、と心配なさる方もいらっしゃるかもしれません。最近の睡眠薬には、あまり癖にならないタイプや、従来の睡眠薬と全く作用の異なるタイプで自然な眠気を促してくれるタイプなど、より安全で安心な治療薬がありますので、睡眠薬が怖いとお思いの方がいらっしゃいましたら、精神科や心療内科など不眠治療の専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
そうは言ってもやはり不眠にならない方が良いので、そのためにも日頃から、なるべく定期的な運動を心がけ、規則正しい食生活を送り、就寝前の力フェイン摂取や喫煙は控えた方がいいかと思います。