乳房サイズと乳がん

宮里恵子・浦添総合病院乳腺センター(2015年4月21日掲載)

比較的小さい関連性

 乳房が大きいと乳がんになりやすいという都市伝説があるそうです。本当にそうなのでしょうか。検証してみましょう。


 がんになりやすい人はどんな人でしょうか。閉経後の肥満は確実に乳がん発生のリスクを増やしますが、一方で運動すればリスクが減ることが分かっています。ちなみに閉経前の肥満は乳がんのリスクにはなりません。出産や授乳に関する因子としては、出産経験のある人に比べて出産経験のない人、若い初産婦に比べて高齢初産婦、授乳した人に比べて授乳しなかった人などではリスクが高いです。


 閉経後にエストロゲンと併用してプロゲステロンという成分の入ったホルモン補充療法を受けた人、より近い血縁に乳がんがいる場合もリスクは高くなります。初経年齢が早く、閉経が遅いとリスクが上がる可能性は高いようです。ほかにほぼ確実といわれているのは飲酒です。配偶者や身近な親族との死別や、夜勤のあるお仕事でもリスクが増える可能性があるそうです。


 実は昨年カナダから乳房サイズと乳がんの発生について、過去の複数の研究のまとめが発表されました。結果は、乳房が大きいとがんになりやすいと結論づけた研究と、乳房の大きさとは関係ないとした研究とで、完全に引き分けでした。


 このような研究は方法にさまざまな問題があることを差し引いて考える必要があり、関連があるとしている研究でもせいぜいリスク増加は2倍までで、ほかのリスク因子に比べると比較的小さなものでした。あの都市伝説が事実かどうかは分かりませんが、少なくとも太ると乳房も大きくなるので、閉経後肥満によってサイズアップした乳房では乳がんのリスクも高くなるとは考えられます。


 もう一つ注意すべきこととして、大きい乳房の方はしこりがあっても気づきにくく、より進行した状態で診断されることが多いという報告があります。自己検診で何もないから大丈夫ということはありません。もちろん乳房が小さいから乳がんにならない、なんてこともありません。皆さん、ぜひ乳がん検診を受けてください。

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