体にやさしい放射線治療
眞鍋良彦・南部徳洲会病院(2015年4月14日掲載)
「切らずに治す」時代に
放射線治療と聞くと、まず「副作用が怖い」と思われる方が多いと思います。それもそのはず、放射線は目に見えませんし、周りに放射線治療経験のある方も少ないのではないでしょうか。
実は放射線治療は全身への影響が少なく体にやさしい治療であり、副作用は放射線を当てた部分の周りにしか起きません。例えば肺や乳房、お腹の下のほうにある前立腺に放射線治療をしても髪の毛は抜けませんし、吐き気を起こすこともまずありません。照射中は痛くありませんので麻酔は不要、10-20分ほど仰向けになっている間に位置合わせと治療を行うことが多いです。
これを平日の毎日、何週間か繰り返します。個別の状況にもよりますが、仕事を続けながら、またゴルフなど趣味を続けながら外来通院で放射線治療を受けておられる方も大勢いらっしゃいます。米国では放射線治療が広く受け入れられており、がん患者のうち6割ほどが何らかの形で放射線治療を受けておられますが、日本ではまだ3割ほどと少ないのが現状です。
新型の放射線治療機トモセラピーでは、強度変調放射線治療という新しい技術で「病変部へはより多く、正常な部分へはより少なく」放射線を当てることが可能になりました。これにより前立腺がんや肺がんでは、手術を受けるのと同じくらいの効果が出せるようになり、いよいよ「切らずに治すがん治療」の時代が到来しております。
またトモセラピーはピンポイント治療のみならず、従来から行われている放射線治療をより発展させた形で行うこともできるのが特徴です。乳がん、肺がん、食道がん、すい臓がん、前立腺がん、悪性リンパ腫など幅広い領域で治療が可能ですし、痛みの原因となる骨への転移や、さまざまな症状を起こしうる脳への転移、リンパ節への転移に対しても有効です。
自費診療ではなく保険適用となりますので費用負担も抑えられます。放射線治療に興味のある方は主治医の先生とよくご相談され、検討していただければ幸いです。