子宮脱

大西勉・ハートライフ病院(2015年3月24日掲載)

意外とよくある病気

 「子宮脱」とは骨盤内臓器脱の一つで、他に膀胱(ぼうこう)脱、直腸脱などがあります。


 実はこの病気、沖縄に多いのです。多産がその原因かと思われます。そもそも子宮は柔らかい膣(ちつ)という地盤に立っている建物のようなもので、靭帯(じんたい)という何本ものワイヤ状のもので引っ張り上げられて骨盤の中に固定されています。


 膣は分娩(ぶんべん)によって伸び、その地盤が軟らかくなってしまいます。そうすると子宮は「地盤沈下」を起こし、徐々に下がっていきます。これに老化が加わって靭帯が緩んでくると、子宮は支えを失って膣の外に飛び出てしまうのです。


 症状としては次のようなものがあります。

  • ・お風呂などで陰部に何かが触れる。
  • ・膣の中に何かが挟まったような感じがする。
  • ・下腹部に違和感がある。
  • ・排尿してもおしっこが出きらない。
  • ・下着に血が付いている。

 進行して子宮が完全に膣の外に出てしまうと、尿閉(尿が出なくなる)を起こして、生命の危険にさらされます。


 子宮脱の治療には、リングペッサリーと呼ばれる器具を膣内に入れる保存的方法と、手術療法の2通りがあります。


 リングペッサリーはリング状の子宮脱矯正用器具で、膣内に留置することにより臓器の脱出を防止します。簡便な方法のため、比較的多く使用されていますが、異物を膣内に入れるので感染を併発し、「おりもの」が増加します。また膣粘膜が傷付き、出血することがあります。さらには性交障害を起こすこともあります。


 手術には幾つかの方法があります。患者さんの年齢や体力、症状や病気の進行度によって、医師と患者さんがよく話し合った上でその方法を決めます。ほとんどは経腟手術ですので、手術による体への負担はほぼありません。


 子宮脱は決して珍しい病気ではありません。お一人で悩まず、ぜひ一度婦人科へご相談ください。

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