誰でも経験するやけど
東盛貴光・ハートライフ病院(2015年2月17日掲載)
湿潤療法も注意して
ほとんどの人が程度の差こそあるものの、小さなやけどは経験したことがあると思います。昔から、やけどに対するさまざまな治療が「都市伝説」のようにいわれてきました。アロエの果肉が比較的有名だと思いますが、ほかにジャガイモや大根のすり下ろしなどの治療法も聞いたことがあるかもしれません。
やけどをしたときに一番大切なのは冷やすことです。それによってやけどの深さが進むのを防ぐことができます。基本的には20分から30分を目安に、痛みが軽くなるまで冷やすことが理想的です。やけどが浅ければ傷跡も残りにくくなります。
水ぶくれは傷を修復する体の成分が多く含まれているため、むやみに破かずに温存し、病院を受診することを勧めます。冷やした後、やけどを早く治すには、近年いわれている「湿潤療法」が大切になります。軽いやけどではワセリンなどで保湿すれば治りが早くなりますが、乾いたままにしておくと深くなることもあります。
一口に「やけど」といっても原因により深さは異なります。深いやけどほど痛くありません。浅いやけどである「日焼け」が一番痛いものです。例えば、湯たんぽを布団に入れたまま寝てしまうことは危険です。朝になると水ぶくれができたり傷になったりする、いわゆる「低温やけど」につながります。これは名前から軽いと思われがちですが、接触している時間が長いため、やけどは深く、痛みがないことが多いです。
近年、「ラップ療法」に代表される湿潤療法が盛んにいわれています。ラップはガーゼなどに比べて安く、密閉することでやけどの湿潤環境が得られ非常に有効なことも多いのですが、感染を契機としてやけどが深くなり、特に子どもはばい菌に対する抵抗性が低いため、重篤な状態になった報告もあります。また、医療材料ではないため、安全性は保証されていません。ラップ療法を行うには傷の管理ができる専門医の指導の下で行うことをお勧めします。