結核は過去の病気?

稲嶺盛史・国立病院機構沖縄病院(2015年2月3日掲載)

長引くせきに注意を

 結核は1940年代まで国内の年間死亡者数が十数万人にもおよび国民病と恐れられていた病気です。以前に比べ患者数は随分減少しましたが、実は現在も年間2万人程度が新たに結核と診断され、2000人程度が結核により死亡しています。沖縄県は罹患(りかん)率が全国平均よりやや高く、今も変わらず重大な感染症の一つです。


 結核は結核菌が主に肺に感染して起こる病気で、肺に感染した場合を肺結核といいます。肺結核の患者さんがせきやくしゃみをすると結核菌が空気中に飛び散り、それを周りの人が吸い込むことで感染します。通常は感染しても免疫力で結核菌の増殖を抑え込み発病しませんが、感染した人の10人に1~2人は菌の増殖を抑えられず結核が発病するといわれます。


 コントロールの悪い糖尿病や免疫抑制剤などの薬を飲んでいる患者さんは結核発病のリスクが高く、最近このような患者さんが結核を発症するケースが増えています。


 結核になるとせきやタン、発熱が長く続いたり、体のだるさや食欲低下、体重減少、時には血たんや喀血(かっけつ)なども見られたりします。せき、タン、発熱が長く続き、なかなか風邪が治らないと思って医療機関を受診して結核と診断されたケースもありますが、時には無症状で定期健診のレントゲン異常により発見されることもあります。


 肺結核は胸のレントゲン写真に特有の影が見られる場合や、タンの中に結核菌が見つかることで診断されます。


 肺結核と診断され、タンの中の菌量が多い時は、周囲への感染を防ぐために一時的に隔離して治療を行います。治療により菌が少なくなった患者さんや、もともと菌が少ない患者さんは通院で治療することになります。現在では結核治療は確立されており、基本的には6~9カ月間きちんと結核薬を内服することで治癒します。


 とはいえ結核はまだ過去の病気ではありません。長く続くせきで困っていませんか。そのような方は一度かかりつけの医療機関に相談されてはいかがでしょうか。

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