有効なワクチン接種

平良豊・牧港クリニック(2015年1月6日掲載)

帯状疱疹予防、大人も必要

 水痘「みずぼうそう」は主に、子どもがかかるウイルス感染症で2~3週間で自然治癒します。軽い病気と思われがちですが、わが国では年間4000人程度が入院し、20人程度が死亡しています。治癒した後にウイルスは消滅しますが、一部が脳やせき髄の神経節という場所に隠れて残ります。


 一度かかると免疫ができるため、隠れたウイルスは増殖できません。また、水痘の子どもに触れても免疫のおかげで水痘にかかりません。むしろ水痘の子どもに触れた人の免疫は強くなります。実際、子どもと多く接する保育士さんは帯状疱疹(ほうしん)になりにくいといわれます。


 一方、何らかの原因(がん、免疫抑制薬、疲労、加齢)で免疫力が低下すると隠れていたウイルスが増殖し神経の中に広がり、最後に神経の先端から皮膚に飛び出して水疱ができます。これが帯状疱疹です。通常は2~3週間で治癒しますが20~30%の人は厄介な後遺症(帯状疱疹後神経痛)になってしまいます。神経痛になるとつらい痛みが何年も続きます。


 2014年10月から水痘ワクチンが定期接種化され、無料になりました。これにより水痘が減り、将来の帯状疱疹も予防できると期待されます。それではワクチンを打つ機会のなかった大人たちはどうでしょうか。水痘の子どもが減ると、水痘ウイルスに出会うことがなくなり、その結果、免疫力を維持できない大人が増えて帯状疱疹の患者が増えると予想されます。従ってこのワクチンは大人にも必要です。


 実際、既にアメリカやヨーロッパの多くの国で高齢者(50~60歳以上)に対する帯状疱疹ワクチン接種が承認されています。小児用の水痘ワクチンでも大人の帯状疱疹を予防する効果が確認されていますが、残念なことに同ワクチンの接種は、わが国ではまだ帯状疱疹予防という目的では承認されていません。


 大人がこのワクチン接種を受ける場合は自費となり、薬事法に定められている範囲での保証はありますが、万が一、後遺症が起きた時に定期予防接種で保証されている救済給付は受けられません。ご希望の方は自費(有料)になりますが、主治医とよく相談してから受けてください。

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