ピロリ菌

金城譲・那覇市立病院(2014年12月30日掲載)

正しい知識でやっつける

 皆さん、「ピロリ菌」ってご存知でしょうか。ピロリ菌はヒトの胃の中に住んでいる細菌で、正式名はヘリコバクター・ピロリといいます。日本では感染者の多くが50代以上の方で、幼少時に感染しています。また若い方で感染している場合は、ピロリ菌に感染している親から食べ物の口移しなど唾液を介して感染するのが原因と考えられています。


 このピロリ菌が長い期間、胃の中に生息することによって炎症を引き起こし、胃炎や潰瘍、さらには胃がんの原因となっていることが明らかになってきました。従ってピロリ菌をやっつける(除菌といいます)ことにより、それらの発生リスクを減らすことができます。さらに感染してもなるべく早い時期に除菌すると、その効果も高いといわれます。


 ピロリ菌はさまざまな方法で調べることができますが、現在は胃カメラでピロリ菌による胃炎の所見が確認されていることが前提となります。これまでピロリ菌関連胃炎の除菌治療は保険診療の対象外であったため自費診療となっていましたが、2013年より保険診療が認められるようになりました。


 治療は胃薬と2種類の抗生剤を1週間内服します。注意しなくてはならないのは、除菌治療を一度行えば必ずピロリ菌がやっつけられる、というわけではありません。最近は耐性化(菌が抗生剤に対して抵抗性を持つこと)の問題もあり、除菌成功率は7割程度といわれます。従って、治療が成功したかどうかを確認する必要があります。もし1回目の治療が不成功だった場合には2回目の治療(抗生剤の内容を変更します)まで保険診療で行うことができます。


 また、ピロリ菌の除菌が成功したといっても、それまでピロリ菌が引き起こした胃の炎症が完全に消え去るわけではなく、除菌後に胃がんが発生することもあるので油断はできません。その後も定期的な胃のチェックが大切です。正しいチェック、治療を受けて、みんなで健康な胃を目指しましょう。「私、ピロリ菌いるかも」と気になる方は、ぜひ医師にご相談ください。

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